恋する夜

彼女との待ち合わせは、夜の公園のベンチでした。彼女は花を持っていて、僕が好きだと言っていた種類のものでした。緊張している僕に、彼女はやさしく手を握ってくれました。

「今日は星が綺麗だね」と彼女が言うと、僕はそれを口実にして、グッと彼女に寄り添いました。彼女はそっと僕のチェックシャツをつかんで、顔をこっそりと埋めました。

しばらくして、彼女は花を僕に手渡しました。「ありがとう。僕が今日抱えている気持ちを、この花に託してくれたんだろう？」

彼女は小さくうなずいた。僕は、彼女に自分が彼女に対して抱く思いを話しました。その言葉が伝わった瞬間、花が彼女の手から風に飛ばされました。

「大丈夫、それでもいいんだ」と彼女はにっこり笑いました。僕らは手をつないで、音楽が流れているショッピングセンターに向かいました。