失われた思い出

ある日、私は森の中を散歩していた。気持ち良い風が吹き抜け、木々の葉っぱがサラサラと音を立てていた。私は心地よさに包まれ、このまま永遠にここにいたいと思った。

ところが、しばらく歩いていると、いつも通るコースと違う道に迷ってしまった。迷い込んだ先には、古びた小屋があった。私は興味津々で中を覗いてみた。

中には、古い写真や手紙がたくさんあった。そして、私は一つの写真に目を留めた。それは私が知っている人たちが写っている一枚だった。しかし、私はどうしてもその場面を思い出すことができなかった。

私はその写真を手に取り、小屋を出た。どこかでその場面を思い出したいと思い、写真を見ながらさ迷っていた。すると、一人の老人が私に声をかけてきた。

「その写真、大切な思い出かい?」

「ええ、でも場面が思い出せなくて…」

老人は私に手を差し伸べ、私は彼から力を受けたかのように、その場面を思い出すことができた。

そして、私は老人と話をするうちに、彼がこの小屋に住んでいることを知った。彼は過去の自分自身の思い出を切り取って保存しておくことで、自分自身を見つめ直し、今に繋がる自分になったと説明した。

私は老人に、私が思い出せたことに感謝しつつ、さっきまで忘れていた大切な思い出を思い出すことができたことに改めて気づかされた。


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