失われた時間

私はある日、街を歩いていると、老人が手品をしているのを見つけた。

老人は私に話しかけ、「お前に不思議な力を授けよう」と言った。

私は興味津々で、老人に従って別の場所へ連れて行かれた。

そこで老人は私に、時間を止めることができる腕時計を渡した。

「この腕時計を使えば、10分間だけ時間を止めることができる。使い方は自由だ。ただし、時間を戻すことはできない」と老人は言った。

私は腕時計を得て、念願かなって世界を自由に動き回ることができるようになった。

だが、私は腕時計を使いすぎたのか、時間の流れがおかしくなった気がした。

周りの人たちが私と話しているとき、突然彼らが凍りついたように動かなくなり、私だけが自由に動ける時間があった。

私は長時間腕時計を使い続けた結果、失われた時間を取り戻せなくなったのだ。

今でも、時折失われた時間を取り戻すことができなかった後悔が胸に残る。