私は小さい頃からとても大事にしていた人形を失くしてしまった。
その人形は、私が生まれた時に母親から贈られたもので、名前も私と同じ「ユキ」と呼んでいた。
毎晩、一緒に寝て、外出先でも手放さず持ち歩いていた私にとって、ユキはただの人形ではなく、大切な家族の一員のような存在だった。
しかし、ある日、ユキが見当たらなくなった。部屋中を探し回っても見つからず、私は泣き崩れた。
母親にも相談したが、見つかる気配はなく、私はユキを失くした悲しみともどかしさに苦しんだ。
それから数年後、私は大学の授業で新しい友達と出会った。彼女の家に遊びに行った時、一階の押し入れに古びた箱があった。
彼女が「これ、昔使ってた人形とかおもちゃが入ってるんだよね」と言って、箱を開けると、驚きに満ちた私の目には、そこにユキがいた。
私は今でも、どうして私の大事なユキが彼女の家にあったのか分からないけれど、彼女に感謝の気持ちでいっぱいである。
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