失われた記憶

私は、自分が誰なのか分からなくなっていた。ある日、目が覚めて周りを見回すと、見知らぬ場所にいた。まるで、何かに捕まった夢のような感覚だった。

携帯電話を手に取ろうと思ったが、自分の名前や連絡先が分からないため、どこへ電話をかければ良いのか分からなかった。

そんな時、自分のポケットから小さな手紙が見つかった。

覚えていないのかもしれないけど、私たちは昨日まで一緒にいたよ。あなたはとても大切な人だから、私はいつでもあなたを待っているから、必ずもう一度会いに来てね。愛しています。

手紙を読みながら、謎めいた過去が頭に浮かんできた。私はこの人と一緒にいたことがあった。しかしそれ以上は何も思い出せないでいる。

ところが、その時私は気がついた。身につけている洋服は、私の好きなものばかりだ。自分がこれまで何かをしていた証拠が、ここにあるのだとわかった。

それから、徐々に記憶を取り戻していくことが出来た。自分が去年のある日に交通事故に遭ったことが分かり、それが原因で失われた記憶があることを知ったのだ。

しかし、前向きな気持ちで未来に向かっていけるようになった私にとって、それはむしろ新たな出発点だった。

「私は自分にとって大切な人々を守るために、それでもう一度頑張れる」と思った私は、この日から自分自身を再生させるための新たな旅立ちを始めたのだった。


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