私が初めて友達を作ったのは、小学校2年生のときだった。
自分は地味で目立たない存在だったので、クラスではぼっちだった。
ある日、音楽の授業で、同じように歌が苦手そうな女の子がいた。
「歌うの苦手なんだ」という話を始めたのは、彼女の方だった。
なんとなく話したくなって、その子とお互いに歌う練習をして、それから毎日一緒に過ごすようになった。
クラスではまったく目立たなくても、ただひとつ大切な友達ができたことで、私の心は満たされていた。
しかし、小6のとき、引っ越しが決まった。
私たちはいつか再び会うだろう、そう思いながら、時が過ぎていった。
中学校に入ってみると、新しい友達ができたけれど、今までのような心の底からの信頼関係を築くことはできなかった。
たまたまSNSを見ていたところ、その子が「中学生になって初めての合唱コンクールで優勝した!」という投稿をしていた。
思わずメッセージを送って、あの頃を思い出していた。
しかし、返信がこない。
数日後、ついに彼女の返信が届いた。
「えー、まさか○○さん!?びっくりした!どうして連絡くれたの!?嬉しい!覚えてるかなー、あの歌のレッスンとか、楽しかったよなぁ」という内容だった。
彼女の返信を受け取ったとき、私はとても嬉しかったけど、同時に気持ちは複雑だった。
なんとなく、心の距離が遠くなっていた気がして、それが寂しかった。
でも、同じ学校に通っていたらまた仲良くなれるかもしれない。
それを願いながら、私は彼女に返信した。
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