あの日の約束

私たちは幼稚園からの幼なじみでした。

ある日、小学校5年生の時、彼は私に言いました。

「将来、君とキャンプに行って、星を見る約束しよう。」

私は素直に「いいね!」と答えました。でも、正直言って、その時は将来なんて先のことで考えていなかったし、星なんて見たこともありませんでした。

しかし、彼はその約束を守って、私たちは高校1年生の夏休みに、山奥のキャンプ場に行きました。

その夜、星空を眺めながら、私たちは語り合いました。彼は将来どんな仕事をしたいのか、私はどんな未来を想像しているか。

私は胸の内を打ち明けました。

「私、作家になりたいんだ。小説を書いて、たくさんの人に読んでもらいたい。」

彼はニッコリと笑いました。

「きっと、素晴らしい作品が書けるよ。きれいな星空を見て、思い出した時、そのことを書いてみればいいよ。」

その言葉が私には刺さりました。

それから、私は彼の言葉を胸に、小説を書くことに励みました。

そして、10年後の今、私たちは再び星空を見上げています。

私は今、作家としてデビューすることができました。出版社から、初版3万部の依頼も来ました。

彼は、私を見つめて言いました。

「約束は果たしたかい?」

私は微笑んで答えました。

「もちろん、果たしたよ。君に出会ったから、私は夢を追い続けることができたんだ。」

彼は嬉しそうに、私にキスをしました。

その晩、彼は浮かれて、酔っ払って、キャンプファイヤーを起こしました。

私たちは笑いながら、星空を見上げました。

この瞬間が、もう、一度だけくらい、永遠に続いてほしいと心から願いました。


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