貼り紙

学校のトイレの鏡に、赤いペンで貼り紙がされていた。

「お前はクソガキだ。」「もう少し成績が良くなれば、親もついてくるかもしれない。」

気分が悪くなった私は、すぐに先生に報告した。

先生は、学校内で貼り紙をした人物を探し始めた。

授業が終わると、私は先生に呼び出された。

先生が言った。「君が、貼り紙をしたのか?」

私は、立場を理解していなかった。大好きな先生が、私を疑っているのかと思った。

「いいえ、私がやったわけではありません。」

先生は、私の目を見つめた。

「わかっているなら、良かった。君は、クラスで一番優秀な生徒だからね。」

先生は、私に優しく笑ってくれた。

貼り紙をした人間は、私たちに向けていたメッセージだったのかもしれない。けれど私たちは、それを受け止められるほど、強くはなかった。


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