私はこの冬初めて降り積もる大雪にわくわくしていた。しかし、電車の運行が乱れていると聞き、不安と期待が混ざっていた。
会社に行くため、混雑するバス停に並び、携帯で今日の予定を確認した。そこで一通のメールが届いた。
「本日出社不要。遠隔ミーティングを行います。」
ひとり胸をなでおろしながら、足元の雪を眺めていた。すると、前方から男性が滑ってこっちに向かってくる。私は避けることができず、男性とすれ違った瞬間、尻もちをついてしまった。
「ごめんなさい!」と彼は助けてくれたが、私のコーヒーカップは地面に転がってしまった。
ぼんやりしていた私は、思わず声をあげた。
「熱い!熱いよ!」
私はカバンから手袋を取り出し、コーヒーを拭いた。
男性は「大丈夫ですか?」と優しく声をかけた。
「はい、ありがとうございます。助けてもらって、感謝しています。」私は彼に深くお辞儀した。
男性は微笑んで会釈し、去っていった。
私はその男性に心惹かれたが、きっと二度と彼には出会えないだろう。
しかし、大雪の日の出来事は私の心の中にふわふわと残っている。
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