小学生だった私は、趣味で虫を捕まえては観察することが大好きでした。
ある日、学校の帰り道に見つけたのは、とても小さいけれどとても美しい蝶でした。
手に取って観察すると、蝶はどこか遠くを見つめるような目をしていました。
それから数日後、私は同じ蝶を再び見つけました。
今度は虫眼鏡を使って観察することにしました。
虫眼鏡を覗いてみると、蝶の視線の先には見たこともないような綺麗な庭が広がっていました。
私はその景色に魅了され、蝶と共に虫眼鏡の向こう側へと旅をすることにしました。
そこには、まさに私が想像した”夢のような場所”が広がっていたのです。
しかし、私がその場所を探し求めるうちに、蝶は私の手から飛び立ち、虹色に輝く羽を揺らして消えてしまいました。
その後、私は虫眼鏡で出会った世界を忘れることが出来ません。
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