さよなら、先輩

あれから数年。私たちは高校の卒業式の日に別れを告げた。

“ずっと友達でいようね”と約束し、若かりし日々を去っていった。

先輩は目指す大学に進み、私は地元の短大に進学した。

私たちは途切れることなく手紙やLINEで話をしていた。

そして、ある日私は先輩から“明日会える?話があるんだ”との連絡をもらった。

“おっかないなあ”と思いつつも、夕方私たちは再会した。

先輩はすっかり変わってしまっていた。

“実は、今でも君が好きだったんだ”と告白された私は戸惑ったが、”馬鹿なことを言わないで”と笑って言った。

そして、先輩は半年ごと交代で病院に通うことを明かした。

“ずっと黙っているわけにはいかない。君には言わないつもりだったけれど、実は白血病にかかっている。”

私は驚きと同時に、彼と再び別れを告げた高校の時のことを思い出した。

別れ際、先輩は言った。

“しっかり生きて、成し遂げるんだぞ。お前にはたくさんの夢があるんだから”

あの日の思い出を胸に、私は先輩に笑顔で話しを聞いた。

別れ際、先輩はまた言った。

“これからもお前のこと、応援してるよ”

記:〇〇


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