失われた友情

私たちは小学校からの友達。いつも一緒に遊んで、学校帰りには一緒に買い物に行ったりしていた。中学校に上がっても、クラスは別だったが一緒に昼休みを過ごしたり、放課後に遊んだりしていた。しかし、高校に入ってからは、私たちは違う進路を選び、違う高校に進学することになった。

最初は週に一度はメールや電話で連絡を取り合っていたが、だんだんと忙しくなっていくうちに、それも途絶えてしまった。時々、SNSで投稿する姿を見ることはあったものの、直接話すことはなく、距離がどんどん広がっていくような気がした。

ある日、私の通っている大学の近くで、偶然に彼女と会った。彼女はまだ可愛くて、笑顔も変わっていなかった。たくさん話したくなった私は、一緒にカフェに入って、少しおしゃべりをしていた。しかし、やがてそれが別れの話になってしまった。

「私、結婚することになったんだ。彼が気に入ったんだけど、今度海外に行くことになって、日本に戻ることはないかもしれない。だから、今日は最後の会いでしょうか。もうお互い忙しくてね・・・。」

私は言葉に詰まり、ただうなずくことしかできなかった。彼女が帰る間際、彼女は言った。

「でも、私たちは友達よね。ずっと友達でいようね。」

その言葉に救われるように、私は笑顔を取り戻した。

その後、彼女が海外に行く前に、数回会うことができた。私たちはまだ違う人生を歩んでいるけれど、それでも友達でいられる。時々、彼女が投稿する写真を見ると、昔と変わらない素敵な笑顔で過ごしていることを知ることができ、心が少し温かくなる。


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