失われた記憶

私は一夜にして、過去の行動を何一つ覚えていない状態で目が覚めた。

布団から一歩も出ることができなかった私は、思い出しようと頭の中を必死に探ったが、何も出てこなかった。

唯一、薄れたような記憶によると、昨晩は同僚と飲みに行っていたらしい。

心配になって同僚に電話をしたが、彼女も私が帰ったあとは何をしたのか覚えていなかった。

私は、自分が何かをやらかしたのではないかと恐れ、不安な気持ちで一日を過ごした。

数日後、偶然出かけたスーパーの中で、私は予想だにしなかった人物と再会した。

それは私の元カレだった。

彼は私が転職する前の会社の上司で、私が転職したきっかけを作った人物だった。

彼からは、私が転職前の会社で何か問題を起こしていたことが明らかになった。

私は、自分自身が夜間勤務中に誤って大事なデータを消去してしまったことを思い出した。

それが原因で私は自己申告をすることを余儀なくされ、会社を辞めることになった。

私は、衝撃を受けながらも、記憶が戻ってきたことにほっとした。

私にとっては辛い過去だったが、過去に向き合い、受け止めることで、私は新たな一歩を踏み出せることができた。