彼はいつものように、毎晩10時過ぎに家を出た。
街中を歩き回り、繁華街と静かな住宅街を行き来しながら、ひとり静かに散歩を楽しんでいた。
そして、彼はいつものように車道を歩いていた。それは狭く、車が通る時は必ず彼は歩道に下がるため、自動車とすれ違うために歩道に乗り上げることがよくあった。
すると、突然彼の横を一台の車がふいに通り過ぎていった。その車は猛スピードで走り、彼を轢く寸前で避けた。
彼は驚き、腰を抜かすようにして地面にしゃがんだ。その車はそのまま逃走した。
その後、彼はたじろぎながら、警察に通報するつもりで近くの交番に向かった。
交番に到着すると、車に撥ねられたという地面に跳ね返された鉄球が落ちていた。彼は、自分が生還した奇跡をひしひしと感じ、深い感謝の念を抱いた。
彼は今も夜の散歩を続けているが、以前よりも車道を歩かず、常に歩道側を歩くようにした。
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