雨が降りしきる中、彼女と私は散歩をしていた。
「もう帰ろうか?」と私が尋ねると、彼女は微笑んで答えた。
「まだ少し歩きましょう。雨の匂いって、なんだか好きなんです」
私は彼女の手を握りながら、彼女が好きになる理由を再確認した。
そのまま沈黙が続く中、私達はたどり着いた公園で休憩することにした。
「ねえ、雨の中でしか味わえないことってありますか?」と彼女が訊ねた。
私は考え込んだが、すぐに答えが出てきた。
「恋人との時間を、ただじっと過ごすことですね」
彼女は笑いながら、私の頬にキスをしてくれた。
「それは、それは……ほんとうに素敵なことですね」
私は彼女を抱きしめた。雨がやんだら、私達は彼女の家に帰ることになっている。
しかし、今夜はその先に進むことはなかった。
二人で腕を組んで帰りながら、彼女はふと私に尋ねた。
「あなたは……私と一緒にいて、幸せですか?」
私は彼女の目を見つめながら、強く頷いた。
「最高に幸せだよ。こんな大雨の中でも、君と一緒なら心から楽しめるから」
彼女は私にすがるようにして、涙を流していた。
「今日はここで、しばらく一緒にいてくれますか?」と彼女が尋ねる。
私は彼女を抱きしめ、彼女が欲したものを与えることができるようになるまで、ここで彼女と一緒にいることを決めた。
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