ある日、私が仕事から帰ってきたとき、飼い猫のトムがいつもの場所で寝ていました。
しかし、気がつくと私の食卓の上には、トムの足跡がついたままのひと口サイズのクッキーが置かれていました。
私は驚きましたが、トムはうまくジャンプして食卓に上ることができるので、思わず「きっとトムが食べたんだろう」と言い聞かせ、クッキーを一口食べました。
ところが、夜中になって私は何度も目が覚め、枕元に置いてある携帯電話で時間を確認しました。
すると、そのうちの一度目には2時、次には4時、さらには6時。毎回8分を切っている時間でした。
私は不思議に思い、翌日会社にいる間も頭の片隅ではトムが何をしているのか考えていました。
帰宅すると、さきほどのようにトムが寝ていましたが、キッチンのカウンターの上には今度は果物が置かれていました。
私はまたしても驚きましたが、トムは果物が好きなので、きっとトムが食べたんだろうと、自分に言い聞かせました。
しかし、その夜も同じことが起こり、目が覚めては携帯電話で時間を確認しました。
その日もまた何回も起こり、いつも時刻は8分を切っていました。
私はもう我慢できなくなり、トムを密かに監視することにしました。
夜、私が目を閉じようとしたとき、トムがひそかに家を出ていくのが見えました。
私は少しのあいだ待ってから、トムを追いかけていくと、うちの近所に住むおばあさんの家の玄関先でトムがそこに置かれていた食べ物を食べていたのを目撃しました。
おばあさんはトムをとてもかわいがってくれており、毎晩トムに食事を用意していたのでした。
私は安心して帰宅し、トムを抱きしめました。私たちはそれ以来、おばあさんとともにトムと毎日一緒に食事をすることになりました。
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