短編小説「運命の出会い」

彼女との別れから1年が経った。その時は悲しすぎて、もう誰とも関わりたくなかった。

しかし、彼女と出会ったあの場所に、彼女とよく行ったカフェに、俺はまた足を運ぶようになった。何度も来たけど、彼女はもうここにはいない、痛感させられる。

ある日、カフェで旧友のお姉さんに声をかけられた。何だかんだでカフェで2時間以上話をしたら、お姉さんが帰った後もいつまでもカフェにいたくなった。

しばらくして、お姉さんから「同窓会でも開くから来ない?」と誘われた。結局、俺は行ってしまった。

同窓会で、俺は大学時代には全然顔を出さなかったけど、同じゼミだった女性たちに懐かしく話し込んでしまった。帰り際に、彼女らは俺に「また次回、来てね」と言った。

そして、次回の同窓会で、偶然、あのお姉さんと席が隣になり、打ち解けることができた。

今までの自分は、彼女と出会う前から今までの彼女がいた期間まで、ただ「恋愛ではうまくいかない自分」でしかなかった。

しかし、彼女と別れてからの自分は、自分だけで生きて行く力を身につけ、自分の趣味や興味に従って生きることができるようになった気がする。

そして、そのような自分を受け入れてくれる人が今まさに現れたわけだ。

彼女との別れから1年が経ったとは、別れの不幸から這い上がって、新しい幸せを掴むことができたということなのだ。


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